鉄道の未来

鉄道の未来学 (角川oneテーマ21)

鉄道の未来学 (角川oneテーマ21)

日本の鉄道の未来について述べた本。冗長な記述が多い(地図を併記してくれたほうがよかった)。

  • 鉄道会社は、将来の人口減を見込んで投資を控えている
  • 乗客が減ると便数も減らすので、ラッシュ時の混雑率は下がらない
  • 東海道新幹線の耐用年数の問題
  • リニアは、財務的には大きな賭
  • JR北海道のキロあたりの線路保存費は、中小私鉄並。JR四国はさらに低い。

JR北海道で問題が出ているのは、規模が大きいので、効率的な保守ができないということなのだろうか?

石油戦略

世界を動かす石油戦略 (ちくま新書)

世界を動かす石油戦略 (ちくま新書)

10年以上前の本だが、今でも読む価値がある。

  • 地政学は学問ではない
  • 中東では、石油メジャーは利権を持っていない
  • 石油備蓄制度がパニックを防いでいる
  • 石油ショックは、日本の過剰反応が原因
  • 今後は、中国の過剰反応が懸念
  • 天然ガスが今後は石油代替エネルギーになる

近年のシェール革命については当然言及されていないが、大筋としてはこの本の通りに推移しているといえる。

水資源

水と人類の1万年史

水と人類の1万年史

人類の水資源の利用法について述べた本。持続可能な方法をとったところ(バリ島)は、現在までそれを維持しているし、持続不可能な方法、または気候の変化によって、文明自体が滅んでしまったところもある(マヤ文明アンコールワット)。現在の動力を使った水採取は、化石燃料の採掘と同じでいつかは枯渇することは確実であり、アメリカの農業の持続性について警鐘を鳴らしている。

静かなる大恐慌

静かなる大恐慌 (集英社新書)

静かなる大恐慌 (集英社新書)

期待して読んだが期待外れ。現在が、大恐慌時代に続く、2回目のグローバル化時代だそうだ。ただ、大恐慌時代とは、各国の産業構造、政治体制も違うので、同一視してもいいのかどうかが判断できなかった。
国際金融のトリレンマ(為替の安定、独立した金融政策、自由な資本移動)は知っていたが、世界経済の政治的トリレンマ(グローバル化、国家主権、民主主義)というのは初めて知った。仮説なので、まだ検証はされていないようだが、国際金融のトリレンマよりも各項目の定義がはっきりしないような気がする。
今後の指針もはっきりしていないので、ちょっと残念。

地図から読む歴史

地図から読む歴史 (講談社学術文庫)

地図から読む歴史 (講談社学術文庫)

歴史地理学の本。律令時代に作られた街道が直線であったのは知っていたが、安土城の場所の選定理由(長浜城と、坂本城が見える)、秀吉の聚楽第伏見城の意図が面白かった。

  • あすか(飛鳥)の語源は、安宿(やすらかなやど)
  • くさか(日下)は、草下(草の上下が取れて、日になった)。

とではないかということ。

地域再生

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)

土建屋主導の地域再生施策がなぜ失敗するかについて書かれた本。一時期もてはやされたコンパクトシティがなぜだめなのかを書いている。対案とされるものは、住民の声をよく聞くなどあたりまえのことなので、それほど新規性があるとは思えない。あたりまえのことさえもちゃんとできない世の中ということだろうか? 今の武雄市をひょうかしてもらいたいと思う。

地方自治

暴走する地方自治 (ちくま新書)

暴走する地方自治 (ちくま新書)

改革派首長について、その是非を書いた本。首長は権力が大きいのでやりたいことができるため、暴走する首長が続出している。そもそも地方分権がいいことなのかというところから議論を始めなければならないと思う。