グローバル一次産業経済

コーヒー、カカオ、米、綿花、コショウの暗黒物語―生産者を死に追いやるグローバル経済

コーヒー、カカオ、米、綿花、コショウの暗黒物語―生産者を死に追いやるグローバル経済

第三世界での農業がグローバル経済によって悲惨になっていることを書いた本。著者はフランス人なので、日本人によるエビと日本人〈2〉暮らしのなかのグローバル化 (岩波新書)や、バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書)とは違う視点から見ることができる。原因としては、

  • 投資基金の参入(欧米の年金基金)
  • 生産過剰(コーヒー、コショウではベトナムのシェアが増している)
  • グローバル企業の寡占
  • アフリカ問題(脆弱な政治基盤)
  • 世界銀行IMFによる市場原理の導入(逆効果)
  • 先進国の農業保護

が挙げられている。また、欧州版フェアトレードの問題として、シェアが低い、品質が良くない、対象が最貧農家でないと述べられている。ベトナムの影響力が大きいのみは驚いた。