アマテラス

アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書)

アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書)

記紀の神話部分から、なぜアマテラスが国家神となったのかについて考察した本。

  • タカミムスヒという太陽神が国家神だった
  • 日本書紀では、タカミムスヒとアマテラスが併記されている
  • タカミムスヒが無名なのは、古事記での扱いが少ないため
  • 古事記は、天武天皇の個人的な思い入れが大きい。ただし、正式な歴史書の地位は、日本書紀が占めていたが、江戸時代の国学の興隆と明治以降の教育によって、古事記の方が一般的になった。
  • タカミムスヒは、北ユーラシアの民族の神話と共通点があり、高句麗を通じて入ってきた可能性が高い。
  • それに対して、アマテラスは、南方の海洋民族の影響がみられる

神話の成り立ちの「地層」を明らかにしていくことで、どのように神話が成立したのかをわかりやすく解説した良書。