栽培植物と農耕の起源

栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)

栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)

面白い。1966年発行であるが、古さが感じられない。根菜農耕文化、照葉樹林文化、サバンナ農耕文化、地中海農耕文化に分けて、農耕の起源を述べている。

  • 野生種と栽培種の違いは、種が自然に落ちるかどうか。基本は一年生。
  • バナナは一番重要な果物
  • ヤムイモは、ナガイモ(トロロイモ)、タロイモは、サトイモ
  • サトウキビの絞り汁は、栄養価に富んでおり、牛乳に次いで優れた栄養食品。砂糖は、牛乳に対するバターに相当する。
  • 照葉樹林文化では、麹を使って酒を製造する(他の文化では見られない)

唯一、述べていることが外れているのは、コメとムギの比較で、

コメからコムギに転換した民族は存在しないのに、コムギ食民族はどんどん米食をとり入れている現状である。明日の人類の種穀は、コムギよりコメとなる傾向が認められると認識すべきである。

と書いているが、近年の日本の米離れ、減反を予測できなかったのは残念。

これの現代版をどなたか書いてくれないだろうか。