期待外れ

本当にあった嘘のような話―「偶然の一致」のミステリーを探る

本当にあった嘘のような話―「偶然の一致」のミステリーを探る

「偶然の一致」のミステリーを探るとあるが、前半7章に渡って科学的に分析しようともっともらしいことを書こうとしているが、色々な科学者から引用の単なる羅列で、書いている本人の解釈がどうなのかが全くわからない(引用を肯定しているのかさえも)。
後半の事例も、トリビアの域を出るものではなく、玉石混交であり飛ばし読みすれば十分。

第3のビール

第3のビールは、なぜビールの味がするのか? ~新ジャンルの味覚を作る技術 (TECH LIVE!)

第3のビールは、なぜビールの味がするのか? ~新ジャンルの味覚を作る技術 (TECH LIVE!)

面白い。味覚をどういう風に作るかというのがよくわかる本。第3のビールは余り飲んだことがないが、偏見は消えた。贅沢を言えば、

  • ビールの話がスーパードライから始まっており、スーパードライの特徴が米とコーンスターチを使ったところと書いてある。米とコーンスターチは、日本のビールには昔から普通に使われていたのにその言及がない。
  • コーンスターチの使用理由は書いてあるのに、米がなんの目的で使われているのかが書かれていない。
  • もっと欲を言えば、ほとんどの日本のビールはピルスナー(ラガー)タイプで、第3のビールはそれを模倣しようとしている。ビールの種類はエールとか色々あるのに、なぜ日本では、ラガーがメジャーなのかの言及があればもっとよかった。

日本文化論

日本文化論のインチキ (幻冬舎新書)

日本文化論のインチキ (幻冬舎新書)

私が、小谷野さんを知ったのは、「絶望書店日記」でだったし、私は、嫌煙者なので、小谷野さんには余りいいイメージは持っていなかったのだが、逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)が悪書であるということには、同感。また、恋愛輸入説とラフカディオ・ハーンのあたりは興味深かった。それから、私の母方は、北村透谷の遠縁なのだが、この本で、北村透谷についてこんなに言及があるとはびっくり。

日本の農業

農協の大罪 (宝島社新書)

農協の大罪 (宝島社新書)

農水省官僚による本。日本の農業はもう終わっている。

  • 農業就業人口よりも農家戸数の方が多い(兼業農家が多過ぎる)
  • GDPに占める農業生産は、今や1%
  • 農地改革で得た土地を、転売し得た利益を農協に流れ込んだ。今や、農地改革で得た土地以上の農地が転用されてしまっている。

根本的な改革としては、農水省が解体されれば、農協も存在できなくなると書いているが、実現性はどのくらいあるの?