処分する本について、読書メモを。

「失敗をゼロにする」のウソ [ソフトバンク新書]

「失敗をゼロにする」のウソ [ソフトバンク新書]

90ページから述べている、オーストラリアでの事故について、事実と相違したことが書かれている。失敗事例は、事実に基づいて述べるべきと考えているので、筆者がなぜ脚色しているのか理解に苦しむ。

  • 本書では、作業員は、最年少と書いているが、実際には、41才である(最年少である可能性はあるが、与える印象が違うでしょう)。高校時代から材木商でアルバイトと書いてあるが、実際には中卒。
  • 全て一人で作業したと書いてあるが、ワイアをかけるところまでは、リーダ格の作業員(ただし未経験)が付き添っていた。

ソースは、こちらこちら失敗学のすすめを読んだ人であれば、無用の長物。

薬でうつは治るのか? (新書y)

薬でうつは治るのか? (新書y)

SSRIなどの新しい抗うつ剤は、副作用が少ないため、乱用される傾向があるとのことだが、薬に変わる対案があるのかというと、それを示してはいない(心理療法と書いているが、その受け皿がどれほどあるというのか?)。また、159ページに、コロンバイン高校での乱射事件、99年の全日空機のハイジャック事件は、抗うつ剤の影響と書いてあるが、規定量服用していたのか、乱用していたのかがわからない。特に後者は、精神科医が大量のSSRIを処方したと書いてあるが、一方で、その薬は、未発売だったり、開発中止だったらしい。正規の精神科医が、未発売や開発中止の薬をどう処方していたのか? また、それを乱用していたのかを述べておらず。ただ単に、SSRIへの恐怖を煽るだけになっている。