読んで損した。

ヤオヨロズ日本の潜在力 (講談社+α新書)を読了。近年グローバリゼーションに起因する様々な問題が起きていることを列挙し、地方の力やITによってそれを解決できるというものらしい。変革は、中央からは起こらないという文脈で、

ローマ帝国を再建したのは、ゴート族、バンダル族、ゲルマン族といった周辺の蛮族の中から起こった変革のエネルギーだったのです。辺境が中央であるローマを再建したわけです。そのとき力を発揮したのが、それぞれの蛮族を率いる族長でした。

と書かれている。えーと、ローマ帝国は再建されたんでしたっけ? 中世の暗黒時代はなかったんでしょうか? なぜvandalismという言葉が生まれたのでしょう?

ITのところでも、

ある都市の住民すべてに同じ情報を送ることもできるし、選挙権のある人だけに送るとか、女性だけに限定するとか、(中略)、どのような集団にも対応できるようになってきました。

また、不特定多数に情報を送ることも簡単にできるようになりました。電子新聞がその典型です。

それって、SPAM業者には便利ですね。それから、pushとpullぐらいは区別した方がいいと思います。日本はなぜIT後進国になったのかという話をされていますが、大学教授がITに関してこの程度の知識しか持っていないからかもしれませんね。