イスラームの光

イスラームの日常世界 (岩波新書)

イスラームの日常世界 (岩波新書)

カイロ大学に留学していた経験もある、女性の目から見たイスラーム世界。しかし、読了後何とも言えぬ違和感を感じた。イスラームの明るい側しか書かれていないような気がした。カイロ大学に留学ということは、同級生はイスラーム世界でもかなり裕福な階級と想像でき、その交友の範囲でしかここでは書かれていないのではないか? 同時期に書かれた小島剛一さんのトルコのもう一つの顔 (中公新書)と比較してもぬるい感じがする。疑問点としては、

  • モスクは祈る場所であり、神父や牧師にあたる人はいないようだが、イスラームの宗教指導者という人々はどういう位置付けなのだろう?
  • イザベラ・バードは、日本や朝鮮を旅行したとき、刑務所とかも見て回っている。イスラームの世界の刑罰の実態は?
  • スンナ派シーア派は対した違いはないとさらりと流しているが、本当?

など、本書に書かれていないことがたくさんあるような気がする。