偵察衛星

世界史を動かすスパイ衛星―初めて明かされたその能力と成果

世界史を動かすスパイ衛星―初めて明かされたその能力と成果

偵察衛星開発の歴史。94年発行(原書は、90年)の本なので、情報が古いが、訳者の江畑さんが当時の最新情報として2章書き下ろしで加えているところがいい。興味深い点としては、

  • ソ連末期のクーデターの際に、米国の偵察衛星が監視していることを全治として、ソ連の司令官が基地外に展開してるミサイルを基地内に戻したこと等、興味深い点が語られている。
  • 初期の偵察衛星は、フィルム回収型で、落下中のフィルム入りカプセルを飛行機で引っかける形で回収したこと。
  • ミサイル基地建設の監視には、役に立ったが、中東戦争等の紛争には、タイムラグが大きくて役に立たなかったこと。
  • 建物の中は、当然ながら見えないので、イランの米大使館事件や、パナマのノリエガ将軍の逮捕には役に立たなかったこt.
  • 偵察衛星のマニュアルの管理が悪く、3,000ドルでソ連に売ってしまったCIA職員がいたこと。

欲を言えば、スペースシャトルとの関連は語られているが、アポロ計画との関連について述べられているともっとよかった。それから、アップデート版がでないだろうか。