アメリカと宗教

アメリカと宗教―保守化と政治化のゆくえ (中公新書)

アメリカと宗教―保守化と政治化のゆくえ (中公新書)

なかなかの良書。現代アメリカの宗教事情がよくわかる。

  • 最初期に植民したピューリタンの大部分は、会衆派であったが、現在は、人口の0.8%を占めるだけ。
  • プロテスタントが人口の半分を占めているが、様々な教派に分裂している。
  • 主流派(聖書を絶対視しない)と福音派(聖書を絶対視する)の2つに分けられる(左派と右派)。
  • 福音派は、奴隷主義/人種差別及び、原爆投下を肯定する傾向がある
  • 福音派は、南部に多かったが、ダストボウル(南部の旱魃と砂嵐)で、カリフォルニアへ多くが移住した。
  • 南部の白人福音派は、リンカーン共和党だったため、長らく民主党支持だったが、公民権運動の結果、共和党支持に鞍替えした。
  • 政治に、宗教色を持ち込んだのは、アイゼンハワーから。
  • 共和党支持の母体(協会の連帯組織)も、栄枯盛衰があり、時代とともに変化している。
  • 2006年以降、宗教右派は政治への失望、指導者のスキャンダル、高齢化等で衰退した。

2010年の中間選挙を見ると、宗教右派がまた息を吹き返したような感じだが、どうなるのであろうか?