粉粒体

粉粒体の物理学。粉粒体の不思議な性質について分かりやすく解説した本。ある条件で液体と似ている挙動を示すが、違う点も多々ある。例えば、砂時計では、上に残っている砂の量に関わらず、一定時間当たりの落下量は一定であるが、これを水に置き換えると、上に残っている水の量が多いほど、落下量は多くなるので、液体で代替するのはむずかしいなど。また、液体の沸騰状態に似た現象も、粉粒体で再現できるらしい。
粉塵爆発などにも触れていればもっとよかったかも。95年に書かれているため、最新情報で第2版を希望。

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

上の本との関係で言えば、渋滞論は、粉粒体の個々の粒子が自律的に動くとどうなるかということで粒粉体の物理学の延長と考えることもできるかもしれない。本書は、渋滞学を車の渋滞だけではなく、アリなどの生物、体内での化学物質の移動等、他の分野でも渋滞(に似た現象)が生じていることを示し、渋滞学が応用できる可能性について述べている。