江戸の紀行文

江戸の紀行文―泰平の世の旅人たち (中公新書)

江戸の紀行文―泰平の世の旅人たち (中公新書)

上に続いて、板坂先生の本。自分自身は、古文は大の苦手で、旧仮名遣いでさえ敬遠してしまうのだが、現代語訳もついており読みやすい。

  • 江戸時代の紀行文といえば、松尾芭蕉のおくのほそ道だが、これは江戸時代の紀行文からすれば異端。もっと昔の時代の都落ちの感傷を模して書いたもの。
  • 江戸時代の紀行文の代表作は、貝原益軒の「木曽路記」、橘南谿の「東西遊記」、小津久足(小津安二郎の先祖)の「陸奥日記」。
  • 多くの人が旅行をするようになったので、旅行ガイド的な情報も盛り込むことが求められたので、後世からは文学としての価値がないと判断されがち。