日本経済

日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)

日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)

日本経済の現状を明快に分析した本。98年に分岐点があったとする。

  • 日本銀行はデフレ対策に消極的と言われているが、むしろデフレ対策のやりすぎがリーマンショックの一因となった。
  • 資源価格の高騰は、アメリカ国債で資金が吸収できなかった分がまわり、投機的に買われることになったため。原油の需要はそれほど変化はない(新興国の需要増というのは嘘)
  • 現状の円水準は、まだ円安状況にあり、日銀による介入は通貨戦争を仕掛けているのと同じ。
  • 日本の外需依存度はそれほど高くない。
  • 資源価格の高騰は、小売りには反映されず、企業内で調整されている。これは、下請けの利益の圧迫、非正規雇用の低賃金化となっている。これがデフレの原因。大企業が内部留保を吐き出すことが必要。また、企業が内部留保をため込むことで、投資額の減少や、銀行からの借り入れの減少を起こしており、さまざまな弊害を起こしている。
  • リーマンショックで、日本の金融業のダメージが少なかったのは、リスクを顧客に押し付けているため。海外では売れないような金融商品が日本では普通に売られている。

いろいろあって書ききれないほど、なるほどというポイントがあった。